こんにちは。tillata(ちらた)です。
先月くらいに、カリグラフィーを始めて5年が経ちました。
今日は、それ以前に13年くらいカリグラフィーを挫折していた話を書きたいと思います。
今では5年と続けられているカリグラフィーですが、前まではずーっと3日坊主レベルでした……。
それも約13年。
「え? うそでしょ」
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、本当なんですよね。
自分でも信じられないくらいの長い長い挫折期間があったのです。
書いては3日坊主で終わり、数年後になってまた書いては3日で終わるの繰り返し。
へたっぴすぎて自分で書いた文字が直視できなく、
絶望して無理と直感。
書いてみてわかるんですよ。
「あ、これは無理だな」
って。
でもやっぱり心のどこかでカリグラフィーをすんごくやりたくて。
やりたくてもう一度チャレンジするのです。
でもやっぱり難しくて心が折れます。
簡単そうに見えて、
余裕で書けそうなのに、いざ自分で書いてみると思い通りに書けない。
ホント、信じられないくらい手が動かなくて。
ただのまっすぐな線ですら、上から下へ数センチ線を引くだけで曲がってしまうのです。
頭ではこう書きたいという理想がはっきりしているのに、はっきりしているのにもかかわらず、思い通りに手が動かない。
理想と現実のギャップがすごい。
簡単そうなのに書けないとか、自分でも信じられませんでした。
こんなこともできないなんて、自分はホントダメ。
思い通りにいかない自分がダメダメすぎて、即折れるの繰り返しでした。
何度繰り返したのか自分でも覚えてないくらい続きませんでした。
そもそもに、カリグラフィーとの出会いはどこで?
きっかけは、よく行く本屋さんでの展示会。
そこで、カリグラフィー展があったんですよね。
わたしはそこで開かれる展示には、内容が何であれとりあえず全部見ていたんですよ。
イラストや絵が好きなので。
だから、カリグラフィーに出会えたのは本当に偶然でした。
ここでカリグラフィーと出会っていなければ、もっともっと遅い出会いになっていたはずです。
当時はカリグラフィーなんていう言葉は知らなくて、そこで初めて知りました。
▲写真は当日いただいたチラシ。
見た瞬間一目ぼれ。
日本ペンマンシップ協会のものです。
これが全部手書きとかすごくないですか?
一瞬で心を奪われました。
今まで見たこともない美しさに、瞬殺されましたね。
さらに心を奪われたのは、目の前でカリグラフィーを書いていただいたこと。
自分の名前をカリグラフィーで書いていただいたんですよ。
そういう無料サービスが会場内にありまして。
お客さんがわたしだけだったので、声をかけられました。
名前を聞かれ言われるままにこたえると、するするっとさらさらっとペンを走らせてくれたのです。
つけペンと黒のインクで。
紙は正方形のブロックメモ。
それがめちゃめちゃ美しくて、自分も書きたいと思いました。
展示会の後、書店の中でカリグラフィーの本を立ち読み。
小田原真喜子先生の著書が数冊あり、どれもこれも美しすぎて激萌えです。
しかし学生だったのでお金がなくて買えず(展示会は無料でした)、図書館へ行ってカリグラフィーの本を全部借りてきました。
道具は本を見て何とかして地元で揃えた記憶。
(当時はネット通販がない時代だったような?? あったかもですが、ネットで買うとかマイナーな時代)
買ったのは、平筆と呉竹ZIGカリグラフィーペン。ドクターマーチンのインク。つけペンは田舎にありませんでした。
その代わりが呉竹さんのカリグラフィーマーカー。
ドクターマーチンはアニメイトにあって、それを買いました。
インクはすんごく高くて買うに苦労した記憶があります。
今思えば万年筆インクよりはるかに安いんですけど、学生にはドクターマーチン高かったんですよ。
この時は万年筆インクは存在すら知らなくて、ドクターマーチンしか知りませんでした(小田原先生の本で知りました)。
さっそく書いてみるも即挫折
家でさっそくカリグラフィーをやりました。
写真は当時の愛読書。
でも、本のように上手く書けません。
リボンとかお花とか書いてみるんですけど、難しいですよ、これが。
文字も難しい。
こちらも当時の愛読書。
リボンやお花が綺麗で憧れで。
でも、憧れとは程遠く、実際は思うように書けなくて、「こんなはずでは……」が2、3日くらい。
もうそのあとになると3日坊主で、カリグラフィーは終わりました。
でも美しいので、本は眺めていました。
古川美術館での出会い
わたしは、ミュシャとかモリスとか写本とかが好きです。
カリグラフィーが好きというのは変わることはなく、でも下手なので無理という日々が続いていました。
そんな中、近くでやっていた古川美術館の展示に行ったんですよね。カリグラフィーとミュシャに釣られました。
時禱書の特別展だったんですけど、美しすぎて、やっぱりわたしはカリグラフィーが好きなんだなと思いました。
そのあとスピードボールのつけペンとか揃えて書いてみたような……。
最初の挫折から2~3年は経っていたかもしれません。
でも結局書けないので、またもや3日坊主で終わるんですよね。
空白と繰り返す挫折
自分には、生きるだけで精一杯という期間もけっこうありました。
何か楽しいことをする、好きなことをするとかいう以前に、まず生きることすら困難という、ね。
生きてるだけで辛い期間ですね。
カリグラフィーは忘れていました。
そんなのどうでもいいので。
それで無の時間が何年もあって、
そのうち思い出したかのようにネットで買ってみたカリグラフィーの本で、とある方の訃報を知りました。
一番最初にカリグラフィーを教えてくださった、あの展示会で直筆のカリグラフィーを書いてくださった方がお亡くなりになっていたのです。
ものすごくショックでした。
あんなにすごいカリグラフィーが書ける方がもうこの世にいない。
わたしがその方の意志を継ぐしかない??
とさえ思いました。
ホントすごい方なので。
伊藤介二先生は。
カリグラフィーをまた始めてみることにしました。
でも、またすぐに挫折しました。
やっぱり、頭で思い描くものと実際書けるものは違うのです。
ただのまっすぐな線ですら曲がってしまう。
全然うまく書けない。
つまらない。
自分には才能がない。
また3日坊主。
書いてはやめ、数年後にまた書いては1日で終わることもありました。
こんな生活を13年もしていたんですよ。
やってはあきらめ、やってはあきらめの挫折期間。上達はゼロです。
万年筆インクとの出会い
そんな自分に転機が訪れたのは、万年筆インクとの出会いでした。
どうしてもカリグラフィーをあきらめられなかったわたしは、マーカーでもつけペンでもダメだったら、また別のペンがいいのでは?
と、ペンを変えることにしました。
で、ネットで検索して出てきたカリグラフィーペンを購入してみたのです。
シェーファーのカリグラフィーペンだったと思います。
パラレルペンは以前からあったのですが、どうも使い勝手があわなくて。
それでシェーファーのカリグラフィーペンは万年筆ということを知り、
「カリグラフィー 万年筆」
でググります。
今度は「パイロット プレラ 色彩逢い カリグラフィー」が出てきます。
即買いました。
それからは、とんとん拍子に万年筆インクと万年筆にハマりましたね。
普通の万年筆に興味を持ち、試しに買ってみたパイロットさんのカクノがめちゃめちゃすごくて感動して、インクも綺麗で「ヤバ……」って思い、インク沼にドボンです。
その時のパイロットさんのブルーブラックは、神レベルにめちゃめちゃ美しいブルーブラックでした。
今でも大好きな色です。
あとは、万年筆のインクが美しすぎるので、自分の下手なカリグラフィーでも直視できたんですよ。
下手でもインクが美しいから綺麗に見えて、練習が続けられました。
⇒書くのが楽しくなりました。
という流れですね。
万年筆インク様様です。
最後に
何を言いたいかというと、
・失敗は何度くりかえしてもいい
・失敗してもやりたければ何度でもやればいい
・「やりたいな」って思うだけでもいい
・何年かかってもいい
ずっとダメでも、いつかできる日が来るかもしれません。
もし
「カリグラフィーやりたいよ。でも難しくて続けられないよ」
という方がいらっしゃいましたら、とりあえずは、
「いつかカリグラフィーを書けるようになりたい」
と、心の奥に眠らせておいてもらえればと思います。
自己啓発の本を読むと
「いつかではなく即行動」
とありますが、正しいと思いますが、
「いつかやりたいな」
でもいいと思うのです。
※ソースはわたし。
話が長くなりましたので、ここまでにしておきますね。
ではではこのへんで。
ありがとうございました。